【滋賀県社会福祉学会 第42回大会】奨励賞の受賞者について
2024.03.05 お知らせ全般
2月22日、滋賀県社会福祉学会 第42回大会を滋賀県立長寿社会福祉センターにて開催しました。
当日は320名の多くの方にご参加をいただくことができました。
午前のプログラムでは7つの分科会にて、自由研究発表18題、実践報告24題 計42題が発表および報告され、参加者のみなさんにとって、学びや気づきの多い時間になったことと存じます。
また、研究発表の中から4題の奨励賞が選出されました。
以下、受賞者のみなさまと授賞理由をご紹介します。
―・-・-・-〈奨励賞受賞者〉-・-・-・-
■分科会1 第1発表
「福祉の仕事をなりたい職業ナンバー1にする ~福祉のキラビトプロジェクト~」
一般社団法人 滋賀県老人福祉施設協議会 安田 愛梨さん
【授賞理由】
様々な福祉分野において人材不足、人材育成が喫緊の課題となっているなか、複数法人にまたがってプロジェクトチームを作った取組みであった。
今回は高齢者福祉分野であったが、人材不足は障害福祉、子ども福祉分野など共通の課題である。他の様々な福祉分野でもこうした活動が広まっていくことを期待する。
実践と効果測定による丁寧なアプローチであり、滋賀の社会福祉向上に資するだけでなく明るい未来につながるものであった。
■分科会3 第4発表
「在宅化を進める地域づくり ~在宅サービス訪宅時の駐車場問題から見えてくる地域理解の必要性~」
社会福祉法人 草津市社会福祉協議会 伊藤 美紗都さん
【授賞理由】
地域づくりにおける福祉の課題は、地域住民にとって遠い課題、身近でないところがある。
その中で介護サービス事業者が駐車に困っているという問題を、事業所と住民が共有し、地域としてその解決策を考えていく取組みに関するプロセスを丁寧に研究している、先駆的な発表であった。
■分科会6 第2発表
「官民共創による児童虐待防止における取組の効果と課題② ~民生委員児童委員を対象とした児童虐待防止研修の効果および実施可能性の検証~」
日野町福祉保健課地域共生推進担当 鎌田 宗純さん
児童虐待防止に関する民生委員の役割の重要性に着目され、体系的な研修が無いなかで、独自に研修プログラムを開発し、効果検証も実施されている、全国的にも例がない先駆的な研究であった。
町の担当者の熱意・姿勢にも好感が持て、フロアーからも「DVD化した際には活用したい」という声があるなど関心を集めた。
■分科会7 第2発表
「児童養護施設等退所者自立支援資金のあり方について」
社会福祉法人 滋賀県社会福祉協議会 山田 沙世さん
【授賞理由】
児童養護施設退所者の、自立支援に係る貸付事業をテーマに、担当として直接かかわった事業に課題意識を持ち、主体性を持って研究に取り組んでいることが分かった。
児童養護施設退所者の自立に向けた一つのモデル提示は各機関担当者の役割の可視化につながる。
貸付は、お金を貸す・借りるというややするとネガティヴな印象を持ちそうだが、福祉の貸付は、つながり続ける相談支援のツールであるという価値を改めて伝えてくれる研究であった。
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○「奨励賞」とは
滋賀県内において社会福祉関係者の専門性と実践力を高めるために意欲的、先駆的かつ継続的に取り組んでいる研究であり、論旨が明確な研究であるか、実証的な研究であるか、将来性があるかなどといった観点から奨励賞を選考。